BT治療とは

BT治療の特徴

気管支サーモプラスティ(BT)は、複数の薬剤を使用しても症状が出てしまう、18歳以上の喘息(ぜんそく)患者さんに対して、症状を緩和させる新しい喘息治療方法です。

気管支の内側を専用の装置で温めます

BTは、麻酔下で内視鏡を使って行う、体への負担の少ない治療法です。気管支の中に入れた内視鏡の先端から電極付カテーテルを出し、気管支の内側を65度に温めます。

気管支を温めると、喘息症状が起こりにくくなります

BTを行う前の気管支の断面

気管支の周りの筋肉が厚くなっていて、空気の通り道である気管支が狭くなりやすい状態です。

 

BTを行った後の気管支の断面

気管支を温めると筋肉が薄くなり、気管支が狭くなりにくくなります。そのため、喘息症状が抑制されます。

BT治療を受けられる方

おくすり の治療を適切に続けても喘息症状が出る18歳以上の患者さんが対象です。
あなたがBTの対象となるかどうかは、喘息治療の専門医が判断します。主治医または喘息治療の専門医にご相談ください。

※高用量の吸入ステロイド薬および長時間作用性β2刺激薬

以下のような方は治療対象外となります

  • 18歳未満の方
  • ペースメーカ、体内式除細動器、またはその他の植え込み型医用電気機器を使用している方
  • 気管支鏡治療に必要な薬剤(リドカイン、アトロピンおよびベンゾジアゼピン系抗不安薬等)に対し過敏症がある方
  • 以前にBTを受けたことがある方
  • 血液凝固障害が疑われている方(出血が止まりにくい、または血栓ができやすいといわれている方)
  • 医師の指示による抗凝固薬、抗血小板薬、アスピリン、NSAIDs等の中止ができない方

データでみるBT治療

治療実績は、世界で4,000例以上、喘息発作や救急外来受診の回数が減少。
少なくとも5年間、治療効果が持続することが確認されています。


BTを受けた海外の患者さん162人を対象に、1年ごとに「喘息発作の発生率」 「救急外来の受診回数」を調査したところ、BT後1年間でどちらも数値が下がり、以後5年間にわたって低いまま推移していることが報告されています。

Wechsler ME, et al. J Allergy Clin Immunol. 2013 Dec;132(6):1295-302.

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監修

聖マリアンナ医科大学 呼吸器内科
峯下 昌道 先生
宮澤 輝臣 先生